
今回の点検する天窓です。珍しいところに取り付けてあります。室内の真下はとても明るくてよいのですが、雨漏れか?という水が落ちてくるとストレスになります。実はこの屋根は急勾配で単独では登れなかったため、人員と点検用具を整えて可能な限りの点検を行いました。

室内はこのような感じです。写真では逆光で暗く映っていますが実際はとても明るい天窓です。室内もこだわりの造りで左側に見える白い枠にはガラスが貼ってあります。しかしその為トップライト内側に近寄ることができず目視でわかる範囲の点検となります。内側の壁紙がはがれたり水のシミが確認できました。
雨仕舞の点検

屋根の頂点にあたる部分です。多く見る屋根の中腹にあるような天窓ではなく棟越しのトップライトなので「雨仕舞」と言われる板金での納めを点検します。

板金の劣化や各水切りの点検を行いました。見たところは正しい施工がされておりましたが劣化したコーキングが目立ちました。板金自体に穴が開いているわけではなかったので、もしかしたらコーキングが劣化している箇所から浸みてきた、と可能性の一つを考えます。
板金のコーキング状態確認

棟部分にあたるところのコーキングです。かなりしっかり量を付けて施工されていました。切れて穴あきなどは無かったので良かったです。

斜面の下側の水切りとコーキングを確認します。流れてくる雨水を拾うような隙間もないし、コーキングの切れも確認できませんでした。
所見
今回は判断が難しい点検です。気になったのは強い雨でも漏れないこともある、普通の雨で落ちてくることもある、という事。毎回漏れるわけではないのです。風向きや雨量に関係しているかもしれませんが、もう一つの要因としては「結露」です。この天窓はガラス1枚ではなく外と内に1枚ずつ、2枚のガラスでできています。サッシはスチール(鉄)で錆も見えました。結露は温度差で発生しますが、この2枚のガラスの空気層で発生したのなら、たまったところで一気に落ちてきた可能性も有力です。屋根を見て天窓周辺や本体に異常があればすぐに分かることも多いので、今回の天窓本体と雨仕舞の状態を考えると雨漏れではなく結露であることも考えられます。
今後の対策として
いきなり天窓交換、とまではいかず、さしあたり様子見となります。室内の温度も関係してくるのでしばらくの雨や天窓ガラスをご自宅でもチェックできる範囲で行って頂いて・・・、という事になりました。実際不具合が天窓に発生して工事ともなれば範囲や内容によっては足場が必要になり、最低でも高所作業車を使用しての工事となります。先にコメントした通り急勾配の為、重いものをもっての屋根作業が困難なためです。安全対策が不十分ではやはり工事は実行できません。本体の工事より足場代などが高い場合も少なくありません。しかしこういったこともお施主様にご迷惑が掛からないようにしっかりとした施工をする為です。工事内容をご理解して頂いたうえでお互い良い関係で工事を常に行いたいと考えております。立地や建物形状で難しいと思われる工事かも・・・、とお悩みの方でもまずはお気軽にご相談ください。